独学の近況

□■ 総論 ■□
♪♪ リスト様
 池袋ヤマハに電話した。リストの新しいブダペスト版を手に取って見たくてしょうがないので、お店にあるかどうかの確認である。結構あるらしい。校訂の説明が載ったクリティカル エディションということで、別の版が手もとにある曲でも入手する価値はありそうだ。リスト楽譜は、ブダペストらしいし。
   リストといえば、昨日、”フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか”を読んでいて、著者である浦久 俊彦氏のことがなんとなく気になったので彼のツイッターをみてみた。ほんの少しリスト関連の発言がある。う~ん、知ってることをもっと公開して欲しい。ソナタ ロ短調のこととか。
 
♪♪ ただのノートを化け物に
 友達が、誰かの練習ノート活用についての記事を読んだらしく、ノートの話題になった。それに何を書いてるのか気になるらしい。僕がノートを用いるのは、譜読み中の曲ではなく、それが済んだ曲の練習のためである。譜読みは、”昨日は32小節あたりまでだったから今日はここから”っていう風に、トンネルを掘っていくイメージで進めればいいけど、それが一通り済んだ曲が増えると、仕事からの帰宅後や週末、どの曲のどこを練習すればよいのか、頭に浮かんでいてもなかなかその通りにはできない。なぜか。やることが沢山あるのに、それが不明確のままだから。曲の中の課題の点は、アリのように小さくても気がかりで、日ごろの重要なターゲットとなる。そこへ誘導してくれるがノートである。
 
♪♪ ’できない’からの探求
 その友達は、僕にきく。
「でも分析って言っても、そう簡単にはなかなかできないよ?中奥さん何を基にしてるの?練習方法は全て自己流?」
 
僕の返事:
「今まで全て自己流で、試行錯誤しかしてない。感性、脳科学、人間工学を基にしてるよ。」
 
ここで言った「人間工学」は、運動学習みたいな意味で。。。
だけど、そういう知識があるわけじゃないし。脳科学も。自己評価は感性によるが、練習方法の「基」になってるものがないから、仮説を立ててやってみるだけ。
 得られた結果と因果関係があるものは、何なのか。練習? 確かにそうだけど、直接的には、身体の中で起こった変化ではないだろうか。すなわち、練習⇒身体内で起こった変化⇒結果という関係が成り立っている。この身体内で起こった変化というのは、科学の分野では普通の事であるのは間違いない。
 今、僕はピアノとは全く関係のない経緯で、ある会社の従業員がその会社のWebサイト内で書いたコラムを読んでいる。彼女の赤裸々な書きっぷりが面白い。その第45回は、脳で起こるある現象をテーマにしていて、それは、まさに、僕を悩ませている罠だった。
 これをきっかけにちょっと調べた。運動学習という分野があって、その研究成果が、リハビリやスポーツ指導において生かされているらしい。そういった世界で前提となっている文脈干渉効果という不思議な現象や多様性練習仮説などは、ピアノ練習においても、練習内容の根拠になるんじゃないかと思う。
 
□■ 各論 ■□
♪♪ 詩的で宗教的な調べ より 第3曲 孤独の中の神の祝福/リスト
「作曲家◎人と作品 リスト」福田 弥著には「傑作」とある。有名じゃないけどリストファンなら知ってるだろう。リリカルな雰囲気を帯びた旋律は、やがてグイグイ熱くなっていく。陶酔感が尋常じゃなく、至福の境地に到達。伴奏のザクザクザクザクって感じが、いいねぇ。
 楽譜は、何年も前にヘンレ版のセパレートされたものを入手した。コピーしてドレミを書き終えていたが、先日、愛3と献呈を入れてあるファイルに入れて、ちょっと前進。いつになったら練習できるかわからない。献呈よりも先にやるかもしれない。というか、最後の部分を、ハ狂2の”Cadenza ad libitum”で弾きたいので、今、そこだけ練習している。
 
 
♪♪ ソナタ/リスト
 ソナタといえば、以前気になっていた ショパン ソナタ 第3番第4楽章もロ短調?
やはり、弾きたいな。
 
♪♪ 献呈
 友達が練習してるみたいで、ある小節の運指の話をしてたら、ドレミ書き込みの間違いに気づいた。運指も見直せた。しかし、練習できない。
 
♪♪ 変奏曲 Op.41/カプースチン
 只今、第1変奏。ここは、ゆっくり弾いてもいいと思う。比較的楽な変奏だと思うが、ゆっくりであっても精神的にスウィングしてなきゃ駄目なわけで、その表現のための技術も問題となる。僕は、まず、和音や連符の音を簡素にして技術のハードルを下げ、リズム習得を優先した練習をする。付点や3連符ばかりだから普通の8分が現れるところは際立つが、それもすんなりできなくて、口の中でタタとかタンって言うか、口の替わりに音符を追加して正確なタイミングを狙う。メトロノームは使わない。あの音は脳を狂わせる。
 
♪♪ ハ狂2/リスト
 ”Cadenza ad libitum”で、”孤独の中の神の祝福”の最後の部分を使いたい。ここはやはり、カデンツァを入れないと曲がブツ切りになって変だと思う。編曲できないうちは、ほかの曲で誤魔化す。
 
”Cadenza ad libitum”をしっかりやってる例、、、、ツィンバロム。
 
 ブダペスト版をまた買おうとしていて、ムジカ・ブダペスト社のWebをみたら、ハ狂2のページに、作曲の背景みたいなことが書かれていた。
上記URLより抜粋。
Though he grew up in Vienna and Paris and spoke German as his native language, Ferenc Liszt's Hungarian patriotism was aroused by a natural disaster. ''Oh my wild and distant country! Your cry of pain has brought me back to you. I bow my head, ashamed that I have forgotten you for so long,'' he reacted to the news of the 1838 Danube floods that demolished much of Pest, and he announced a charity concert for the benefit of the victims. When he visited Hungary the following year, he was embraced by his compatriots with an unexpected enthusiasm that defied all description. This highly emotional encounter set his entire career onto a new track; Hungarian motifs began to appear in his music. This marked the beginning of the genesis of his 19 Hungarian Rhapsodies that spanned many decades.
The opening theme of Hungarian Rhapsody No. 2, a piece that has acquired extraordinary popularity, was written down by Liszt in his sketchbook in 1847 in Iaşi, Romania. The piece was published in 1851, later with separate cadenzas and ad-libitum variants added for two of Liszt’s pupils. 
 要するに、リストはハンガリーを愛していたということで、ハンガリー音楽の要素を濃厚に受け継いだ曲を作ったわけだ。その際立った特徴は、テンポのコントラストであり、チャールダーシュというジャンルの様式の表れである。あの有名なヴァイオリン曲も、その様式に則ったものらしいのでじっくり聴いてみた。曲名は、日本語でいうと、”ジプシーの歌”。うん、確かに、自由にたっぷり歌ったのち、豹変して踊り狂うという展開だ。僕のハ狂2は、”LASSAN”の表現がまだ定まらない感じがしているが、ピアノよりも、ヴァイオリンのこういう拍感のない歌いっぷりから影響を受けたい。また、”FRISKA”を含めた全体の基礎づくりとして、リストを刺激したジプシー楽団の音楽にはどのような要素があったのか、現在に伝承されたそれを観てイメージする必要がある。欠かせないのは、ヤーノシュ・ビハリ (1764 –1827) というヴァイオリニストによって書かれた曲ではないだろうか。
 
 フリスカで効果絶大の運指変更をした。第252小節の1拍目の右。高速テンポでこの飛距離は酷というものだろう。苦しみながら練習をつづけてきたが、じっくり考えたら、前小節の最後の右の音は、左右に分割できることに気づいた。そこだけ左の負担が増えるが、偶然、全く同じ指の動きを別の所でやってるので慣れている。ここは、上段のファレを左1右3で打つ。こうすれば、この瞬間の右12は、仕事から解放されるから高い方に飛ぶ態勢になれる。

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 不思議なことが起きている。珊瑚がいつの間にか良くなってる。第35小節からの”capriccioso”のこと。ここは難所であり、譜読みでものすごく苦労して、心に深く刻まれたためなのか、楽譜上の”capriccioso”の隣に「珊瑚」と書き入れていた。近頃は、珊瑚の練習をしてないのに、たまに通したときに、どういうわけか良く弾けるのだ。
 たぶん、愛3。ここに影響してるのは、愛3の第26小節以降の練習方法の変化だろう。右手の動きが似てるから因果関係を推定できる。
 
 ♪♪ 8つの演奏会用エチュード Op.40 No.1/カプースチン
 来月の大泉はこれ。連続何年だろう。指を2か所変えた。 
 
♪♪ ポ6/ショパン
 トリルなどの練習は、オクターブシフトして指の負荷を変えてやっている。来月の栃木に向けて...
 最後の主題に入るところの右は、低い音から結構高く飛ぶ。主題直前の低い音の最後のミが4でも間に合うの? 僕にはうまく飛べる技術はないから、下の画像のとおり改良した。

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♪♪ 愛3/リスト
 第59小節は、オクターブ下げた練習を始めた。効果あるかな。