習っても上達しない人はいる。

習うことを嫌う人。先生が厳しくて嫌とかではなくて、そもそも、指導されること自体が駄目な感じの。。。

これはもう、そういう遺伝子というか。。。

 

仕事で、ときどき、ある工程の作業を初めてやる方に、その合理的な手順を説明することがある。短時間で生産能力を最大化しなければならない状況では、試行錯誤させている時間はない。

説明した通りにすぐできる人もいれば、そうでない人もいる。

ある人は、「好きなようにやらせろよ!!」と猛反発した。

 

ある小学生は、学校の合唱伴奏を担当していて、その都度、僕が教えている。学校での伴奏は期限があるし、趣味でソロをやるのとはまったく違って、何かあった時の影響が大きい。いつも気になるのは指づかいである。それを意識せずに弾き込んでしまうと、本人がその改善の余地に気づきにくいし、後で変更するのはやっかいだ。その子にきっぱり言われた。

「教えられたくない。自己流でやりたい。」

 

指導を拒むのは、自己流に自信があるから?

あるのかもしれないが、原因はそこではなくて、もっと深いところにある気質の部分だ。

このような方は、指導の言葉で傷ついてしまうのである。

どんなに丁寧に言っても、傷ついてしまう。そして、こじらせる。

ちょっとしたパニックをひき起こし、小さな子供なら泣き出し、大人ならいらだち、怒りだしたり。。。感情を伴って反発するのは身を守る本能によるものであって、襲いかかってくる強烈な刺激に歯止めをかけている。

指導者にしてみれば、言うことをきかないのだからめんどくさい。本人のためという信念で、やってほしいことを強いることになってしまいがち。これは、モチベーションを下げてしまい悪循環に陥ってしまうかもしれない。

 

実は、だいぶ前から、この”指導で反感”について気になっていて、練習会で会った人とレッスンの話をしているときに、「アドバイスされて腹が立たったりしないんですか?」と、きいたことが2回ある。返答は、いずれも期待外れで、”それはない”だった。まぁ、腹が立っちゃう人は習わないか。