精神的な基礎

 ピアノを弾く人々の中にいると、基礎ができてるとか、できてないっていう話をよく耳にする。その人たちがいう「基礎」というのは、打鍵技術の基礎のことだろう。僕は本当に、それができてない。周りの人をみるとわかる。彼らは、家のピアノじゃないのに戸惑わない。鍵盤を見なくても間違えないし、指の制御がちゃんとできている。

 僕が重視している「精神的な基礎」は、「打鍵技術の基礎」と異なるが、「打鍵技術の基礎」を軽視しているわけではない。誰もが重視する「打鍵技術の基礎」は練習によって得られる。これに対して、「精神的な基礎」は、動機を生む土壌となり、練習を実現させるもの。

 

精神的な基礎 ⇒ 動機 ⇒ 練習 ⇒ 打鍵技術の基礎

 

 独学でもそうじゃなくても、環境が整っていて時間があるにもかかわらず、練習の質や量が不十分になってしまうのは、そういう基礎がしっかりしてないから。

  

練習の動機の例

    現状に満足できない

 うまくなりたい

 練習そのもので満たされる

 曲を仕上げたい

 自分の演奏を聴いたらひどかった

 その曲が好き

 人前で弾く予定がある

 練習で癒される

 下手な自分が嫌だ

 練習しないと先生や親に怒られる

 練習すると先生や親が喜ぶ

 ライバルがいる

  練習してないと不安になる

  ご褒美がある

  弾ける気がする

 ある人の演奏を聴いたら影響を受けた

    褒められたから

 怒られたから

 もう少しで最後のページが終わる

 欲しかった楽譜をやっと買った

 ’ピアノの森’を読んだ

 好きな人に聴いてほしい

 

。。。と、まぁ、こんな感じで動機は多様だ。「動機」という言葉が適切でなければ、これらを、練習をする気持ちの原因、とでもいえばいいだろうか。多く該当すれば最高レベルの5。思い当たるものが少なければレベル1か2だな。少なくても、それが強烈ならいいね。

 人それぞれだろう。ある人にとって何が「練習をする気持ちの原因」になるかっていうのは、潜在的なものを含めて固有のものであって変えられないかもしれない。

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動機の分類

強迫性 : やんなきゃ

欲求性 : したい

触発性 : スイッチオン

 

誰も提起しないけど、こっちの基礎が大事だよ。

そんなの、ピアノに限ったものではなくて、ものすごく当たり前なんだろうけど、人によってその広さと深さ、、、構造っていうのかな、、様々なんだよね。