独学の近況

□■ 総論 ■□

♪♪ 記憶の洗練

 譜面内容を表現する技術を、指を動かして学習する、、、というのも記憶である。初見でスラスラ弾ける人または曲でなければ、練習という学習を避けて通れない。

 いつものように、ふわふわ消えていきそう。こういうとき、反復練習をしがちだが、練習のインターバルというか、ひと区切りのタイミングで、似てる曲を割り込ませて頭を切り替えてみる。文脈干渉が起こる。1曲だけの無限ループ猛練習は、演奏直前だけ。

  ある仮説を思いついた。ピアノの道を歩めば、普通、ハノンとツェルニーは避けて通れないらしい。これらを、取り組む曲の前段階で、ないし同時にやる効果の正体は、文脈干渉ではないか。ハノンなどから抜粋するとき、取り組む曲に照らして技術的にまったく異質な部分を選定するわけがない。近い技術だから作用がある。記憶の持続と精緻化である。人は、ハノンなどと普通の曲の間に線引きをして、口をそろえて因果関係を強調するのだが、学習中の脳においては似たもの同士で干渉し合って、どちらも因と果を兼ねるのではないだろうか。もしそうなら、普通の曲の練習をしたらハノンなどが向上した、という事象が起きても不思議ではない。

 

♪♪ 片手練習の効果

 ノートにはRやLを書いて、片手やんなきゃってなってるのが普通。やると効果感が得られるけど、科学的にはどうなんだろう。

記者会見「運動習得は片腕と両腕では大違い-片腕運動と両腕運動では異なった脳内過程が運動学習に用いられることを解明-」 | 東京大学

 

♪♪ 中止でもいい

 発表会や練習会が中止になっても、がっかりしない。”中止のお知らせ”は前日がいい。前日までの1週間ないし2週間は、家で充実している。集中できるし、練習内容を真面目に細かく考えることができる。演奏機会を失っても、中止を知るまでの良質な練習機会を得ている。しかも、お金かからない。

 

□■ 各論 ■□

♪♪ ソナタ ロ短調/リスト

 いままでの曲には、16分の連なりなどの細かい動きを左234を駆使して奏するところがないから、右のそれと比べれば弱いのはわかっている。だから、左のために、連打とかを抜粋して練習してもいいのではないか。

 この曲をどうやってなし崩していくか。気が向いたらやる。連休中、暇になったらやる。左のために手段化してみたり。デカすぎて、真正面で向き合うなんてほど遠い。

 休みのない33ページは、長いトンネルなのか。門前仲町での飲み会で、あるひとが僕に、”弾いても弾いても終わんない、、、”って言っていたのが印象に残っている。それよりもかなり前のことだが、平塚で、ある発表会を鑑賞したことがあって、ハンガリー狂詩曲 第2番の方がいた。この方、演奏が2回止まった。いや、節目とみなせる所で止めたのだろう。椅子に触れて座り直しており、計画的な停止であるのは明らかだった。演奏はあっぱれで、止めなくてもいいじゃんって思うほど。音楽って耳に集中して聴いているはずで、期待に反して止まったら、アレ?って感じるが、聴覚に視覚が加わるからか、生だからなのか、不思議なもので停止を許せる気持ちになる。まぁ、曲によるだろうが。

 こう考えると、ちょっと楽な気分。短いエチュードではないのだから、切りやすいところがいくつもある。もっとも、そういうことを検討する段階に到達するかどうかはわからないが。練習で、まず全体を掴もう、なんてぜんぜん思わない規模だけに、始めから一口サイズに切ってビールのつまみにしたくなる。

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左のためのビールのつまみ( 第233小節から)

 

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左のためのビールのつまみ( 第255小節から)

 

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左のためのビールのつまみ( 第460小節から)

 

♪♪ 変奏曲 Op.41/カプ

 流れるようになってきたところで、唐突にエチュード No.1の練習を挟んで、指が勝手に動くだけというあやふやな記憶を精緻化。

 この前の練習会で弾いた、って言っても第4変奏だけ。参加者多くて、恥ずかしかったから。次回は全部。

 Prestoは、とにかく右。

 

♪♪ ハ狂2

 第51小節から左が16分になって難しい。苦手なので1か月ぐらいやる。

 ” Cadenza ad libitum ”の始めの3小節は、その直前のモチーフが尾を引く。因みに、リストが弟子のために書いたものの一つの冒頭も同様である。雰囲気を引き継ぎ、トリルがいかにもパッセージの前兆らしく甲高く鳴り、頂点を導いて嬰ヘ短調で下降していく。どこまでも転げ落ちて行きそうだが、そのまま次の ”Prestissimo” へ突入しても面白くないので、終わりにドサクサの2小節を設けた。半音下降とわずかな再現で、軽い不安や期待感が得られるようにしている。ここをポ6のようなオクターブではなくて、2オクターブ離したのはカプのせい。f:id:kzt1976:20200810173329j:plain

 

 Prestissimoといえば、ここに、” martellato ” という見たことがない指示があるのにぜんぜん気にしてなかった。” スタッカートをハンマーで打つように力強く ” だと。

 10月に桐生で。 

 

♪♪ 8つの...  No.1/カプースチン

 久しぶりにやった。変奏曲の効果を期待。

 11月の館林で。

 

♪♪ 愛3

 第60小節が、変奏曲のPrestoで良くなった。